脂肪・・と聞くといいイメージがないのが
普通だと思いますが、私たちのからだには
ある程度の脂肪組織が必要です。
その脂肪組織の中でもっとも多く分布しているのが
中性脂肪です。
中性脂肪はトリグリセライドとも呼ばれ、
脂肪細胞の細胞質に脂肪滴となって存在しています。
脂肪組織は、中性脂肪のゆりかごのようなものと
いえます。
そのほかにも中性脂肪は血液の中や肝臓などにも
多く存在しています。
この中性脂肪はエネルギーを濃縮したかたちで
蓄えているエネルギー貯蔵庫であり、エネルギーの
質としてはたいへん良質なものです。
健康でいるためには、適度な中性脂肪の量が必要なのです。
例えば、遭難して食べ物がなくなったとき、からだの
他の組織を維持するために非常食としてこの中性脂肪が
使われます。いざというときの備えの役割なのです。
からだは非常時に備えて、中性脂肪を貯金しようとする
クセあり、余分に摂取したらせっせと蓄えていきます。
過剰に蓄えてしまうと燃焼させるのに苦労するという
特徴があるのです。
中性脂肪はエネルギー源ですが、一番手の燃料ではありません。
食べ物に含まれる糖を燃やしてエネルギーとして放出し、
その糖の余りを中性脂肪に変えて蓄えておく仕組みです。
脂肪というと油やバター、肉の脂身等を考えがちな
ところがありますが、実は炭水化物(=糖質)も
余った分は中性脂肪として蓄えられていきます。
中性脂肪はグリセロールと3種類の脂肪酸の
組み合わせでできています。エネルギーとして
利用されるときは、遊離脂肪酸(血清脂質の一つ)に
中性脂肪の中の3種類の脂肪酸がエネルギーとして
使われます。