職場内でうつ病の診断を受けて休職を余儀なくされる人は多いです。
過労などのために生きるエネルギーが枯渇してしまっている人には
従来通りの対応方法である「服薬と十分な休養」で、3~6ヶ月もすると
状態が好転することが多いです。
しかし、抗うつ剤をしっかり飲んでいるのに好転しない、
仕事に復帰して少しするとまた状態が悪化する、という波を繰り返している場合、
「単極性うつ病」ではなく、「双極性障害2型」を疑って対応しないと
病状を悪化させることにもなりかねません。
双極性障害2型ですと、躁状態はあまり目立ちません。
本人の認識も「ちょっと今日は調子がいいな」くらいの感覚しかありません。
しかし、良い時もあるために、落ち込んだ時は単極性うつ病に比べて
一気にどーんと落ちてしまう感覚があり、起伏があるために
自殺率も高くなると言われています。
双極性障害2型への対応方法としては、まず抗うつ剤は使わずに
気分安定薬を中心に処方してもらうことと、本人の中で落ち着いている時に
「自分の気分が上がった時のサイン」と「自分の気分が落ちた時のサイン」を
しっかり書き出してもらい、そのサインに家族や職場の人達が
いち早く気づいてあげることがとても重要になります。
サインに気づいたら、声を意識的にかけたり、定時で帰れるよう
周りがフォローしたり、という配慮が必要です。
また、双極性障害は、再発をすればするほど躁状態、あるいはうつ状態になる間隔が
短くなる傾向があると言われていますので、本人、家族、職場の人達、主治医で協力し、
再発を防ぐための配慮と、状態が良くなった後も服薬を継続させるよう促していくことが
調子を崩さないためにとても重要になってきます。
上記のポイントを押さえて双極性障害の人への対応をしていくと良いと思います。