金融機関、つまり銀行や証券会社、保険会社は、膨大な量のデータを
扱っています。
これは顧客に関する情報もあれば、取引に関する情報、相場に
関する情報等、さまざまなものが含まれます。
そして、これらの情報は万が一外に出てしまうと自社にとっての
損失となるだけではなく、顧客にとっても大変な迷惑を
掛けることとなりかねません。
そのため、情報の漏洩には、各金融機関ともに大変に
神経質になっています。
一方、最近、クラウドサービスが注目されています。
クラウドにより、自分の手元にデータを残すことなく、
必要なときだけデータを利用することができれば、
情報漏えいのリスクは大幅に抑えることができます。
またクラウド化することでデータの管理コストを
大幅に抑えることができます。
それでも、金融機関に、特にその根幹の情報にクラウドサービスが
利用されていることはあまり聞いたことがありません。
金融機関にとって情報漏えいリスクも、コストも抑えられるのに
クラウド化が進まない背景には、監督官庁である金融庁の意向が
絡んでいると言われています。
金融庁としては、何も理不尽にこれを拒んでいるわけではありません。
クラウド化によりデータが蓄積されるサーバが海外に
設置されていることもありうる点、及び万が一そのサーバの
置かれた国で、情報の開示が認められなくなった場合、日本の
金融機関が膨大な情報を失う可能性がある点を懸念していると言われています。
金融機関のコストが下がることは、サービスを通じて
(銀行であれば預金金利が上がることを通じて)顧客に
還元されるものです。
金融機関の業務改善につながるような
クラウドサービスの登場が待ち望まれます。