最近は結婚年齢が高まり女性の高齢出産が増加傾向にあり、
高齢の女性が流産をしたりダウン症の子供が生まれたりという、
いわゆる卵子の老化の問題が指摘されていますが、男性の側にも
精子の老化の傾向が見られるという記事がありました。
胎児の状態で既に精子や卵子の”元”はできており、そこから
染色体の本数を減らす細胞分裂を繰り返します。
何故「卵子の老化」が問題になるかというと、卵子は精子と
違い女性の年齢とほぼ同等の年数を重ねていると考えられ、
一定以上の年数を経た卵子はこの染色体を減らす細胞分裂の
機能が若い卵子より劣っていると考えられ、そのため染色体数が
変異した子供が生まれるなどすると見られています。
一方の精子は思春期以降随時作られており、男性についても
高齢化により染色体を減らす細胞分裂に影響はあるようですが、
女性の卵子に比べるとデータとしてはっきりと提示できるほど
明確な結果は今まで出てはいませんでした。
ただアイスランドでの研究で、高齢の男性から生まれた
子供ほど統合失調症や自閉症になる確立が高いという
調査結果が出て、「精子の老化」というのも可能性としては
ありうるということです。
しかし、これは胎児の状態というよりは出生後の育ち方が
多分に影響を与えている可能性が高いのではと私は思います。
いずれにしろ、もちろん夫婦とも若いうちに出産できれば
それに越したことはないのでしょうが、それぞれに事情は
あるでしょうし、高齢出産が必ず胎児に異常をきたすわけでも
全然ないわけで、最終的には本人達が判断することではないでしょうか。