雑記

昭和30年代の落語界。文楽、志ん生に、圓生が加わって。

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memo1228
10年くらい前からでしょうか。「落語ブーム」ということが
しばしば言われるようになりました。

林家正蔵襲名、銀座落語会、あるいはテレビドラマ
「タイガー&ドラゴンん」など、落語が若い人にも身近になって、
たしかにテレビの露出も増え、話題になることも多くなりました。

その影響もあるのでしょう。落語家の人数は増え続け、特定の人気者の
独演会など、チケットがなかなか取れないということも起きています。

おそらく、この「チケットが取れない」という現象は、亡き古今亭志ん朝の
独演会から始まったのではないかとい思われます。

その志ん朝は、古今亭志ん生の息子です。志ん生は昭和の名人と謳われる人。
ライバルに桂文楽がいます。まったく対照的な芸風で頂点を極めたふたりの
全盛時代は昭和30年代。二人を頂点に、名手が群雄割拠した時代です。

金馬、圓生、可楽、三木助、正蔵、小さん、などなどなど。
そこにテレビの人気者、林家三平、三遊亭歌奴という異色の若手も
加わってきたのです。

これを称して「落語全盛時代」と称するのが、常識のようになっているようです。
二人を頂点にといいましたが、30年代後半から、そして40年代に入るとはっきり、
そこに三遊亭圓生が「張り出し横綱」の格で、加わっていきました。
圓生は先代圓楽の師匠、その圓楽の弟子が現在の圓楽です。

圓生という人は、子供のころから寄席に出て、初めは義太夫語り、体を悪くして
落語家に転向したという大変長いキャリアを持っていました。

持ちネタの数がずば抜けていて、人物描写の達人。当然芸域は広く、
本領の人情噺のほか、ほかに真似てのいない音曲噺、怪談噺、落とし噺。

演じる人物も武士から町人、職人、与太郎、さらには上方の人物まで
巧みに表現しました。

際立ってよかったのが女。色気があって、あざとくならずに、
女をあれだけ女として描いた落語家は、もしかすると空前絶後かもしれません。

現在でも、TBSラジオのパーソナリティで、「ラジオの人間国宝」とも
称すべき大ベテラン、大沢悠里氏が、しばしば圓生演ずる女の物まねをして、
人気のネタとなっています。それくらい、圓生の「女」は魅力があったわけです。

文楽、志ん生の時代に、圓生が加わったという構図は、野球で言えばちょうど、
王、長嶋の後から、張本が割って入ったのと似ています。

張本の広角打法と圓生のオールラウンドプレイヤーぶりにも不思議な共通点があります。

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