雑記

キーシンの「ショパン前奏曲」はジェットコースター

投稿日:

memo1228
生涯のすべてをピアノに捧げたともいえるフレデリック・ショパン。
当然数多くの傑作があります。

専門家の評価はいろいろですが、「前奏曲」の評価は際立っているようです。
ほかにも「練習曲」「ソナタ3番」「ポロネーズ」「協奏曲1番」など、
これこそ最高傑作とされる作品は、いくつもあります。

たとえば、昨年亡くなった吉田秀和氏は、最高傑作ということではありませんが、
「ショパンはこれ」という論調で「マズルカ集」を挙げていました。

オーストリア、ドイツを中心に展開してきたクラシックに、
初めて東の民族音楽を持ち込み成功したという、音楽史的な視点に
よるもののようです。

さた、「前奏曲」。ピアノの詩人の面目躍如といえる曲集で、
一つ一つ丁寧にいとおしむように、詩人が編み上げた「詩集」にほかなりません。

当然、ピアニストのレパートリーの最重要の作品の一つで、
多くのCDが出ており、名盤とされるものも少なくありません。

伝説のピアニスト、コルトーに始まり、現役ではポリーニ、アシュケナージ、
アルゲリッチの「三傑」。それぞれが名盤です。

ほかにも、フランソワ、カツァリスという二人のフランス人が
素晴らしい録音を残しています。この曲集がフランス人の感性に
合うのかもしれません。

中で、ぜひ一聴をおすすめしたいのが、キーシン。
かつて神童と称賛された彼ももう「不惑」を超えて、すでに
確固たる地位を築いています。「前奏曲」のCDは1999年の録音。
28歳の時のものです。

たとえば8番。ガラスの粉が噴水のように吹き上がり舞い落ちるような
タッチの鮮やかさ。10番や12番のエキセントリックな魅力。

一転して13番は春の午睡の夢のような甘美な世界を、
これ以上ないやさしさで歌っています。

15番「雨だれ」。これほど感情の起伏の激しいこの曲の演奏は、
めずらしいのではないでしょうか。

この起伏の激しさは、実は全曲にわたって共通しており、
それがこのCDの特徴となっています。

ほとんどジェットコースター。そこに、ガラス神経と鋼の指で
演奏しているような彼のエキセントリックな個性が加わって、
これはまさしく「極北」に位置する名盤だと思います。

作曲家本人は、もしかするとこんな感じで演奏したのかもしれない。
そんな想像もさせます。好悪の評価のはっきり分かれる演奏でもあるでしょう。

adsense

adsense

-雑記

執筆者:

関連記事

no image

facebookと企業の運用

今の時代、企業がFacebookのページを作成するということも 多いでしょう。 一時ほどのブームは終わりましたが、facebookだからとりあえず やってみようという成り行きで作っていては 十分な効果 …

no image

「私の青空」日本オリジナルは「流行歌の鼻祖」二村定一

現在オンエア中のフジカラーのCМで、スタンダードナンバー 「私の青空」が使われています。 歌詞を変えていますが、オリジナルの日本版は 「夕暮れに仰ぎ見る、輝く青空。~狭いながらも楽しい我が家」と いう …

no image

温泉は都会にもあります

日本には、箱根温泉、草津温泉、由布院温泉、別府温泉など、各地に有名な 温泉場があります。また、有名な温泉は「源泉かけ流し」になっています。 源泉かけ流しとは、地中から湧き出した新鮮な源泉だけで、浴槽を …

no image

大相撲の「引き分け」は日本の精神文化

現在ではちょっと考えられませんが、昔は大相撲に「引き分け」がありました。 大相撲の歴史は古く、遠くさかのぼれば「日本書紀」の野見宿祢と 当麻蹴速の力比べにまで行き着きますが、これは伝説。 職業相撲は江 …

電気はこまめに消した方がいいの?つけっぱなしの方がいいの?

部屋を移動するたびに電気を消していて、 ふと思いました。 ちょっとしたらまたそっちの部屋に戻ってくることが わかっているなら電気はつけっぱなしにした方が 実は得なんじゃないの? ということです。 エア …

アーカイブ