驚くことにこの金額は、患者が飲まずに家庭にたまっている
医薬品の在庫高です。500億円の大部分は、飲み切る前に
風邪が治ったとか、飲んだら胃がむかむかしたとか、
飲み忘れていたとかいう理由で家庭の茶箪笥に眠っている
可哀そうな薬たちです。
もし薬剤師が住宅や介護施設などを訪問して患者に適切な
服薬指導した場合は、このうちの400億円が削減できると推定されます。
入院せずに自宅で療養する患者の増加で薬剤師による訪問サ-ビスの
重要性が高まっています。国が薬剤師さんをパ-トで雇って
服薬指導すれば、削減できる400億円で前向きの人件費を
手当てすることができるのです。
厚生労働省は在宅医療の充実を掲げています。
このシステムを充実させるには、地域の医師や
看護師、薬剤師、看護師、ケアマネ-ジャ-などが連携し、
包括的なケアを実施する仕組みを作ることが欠かせません。
ただ現状では薬剤師の絶対数が不足しているので、薬剤師を
派遣できる薬局の数は限られます。上記の400億円で薬剤師の養成は十分できます。
実際、薬剤師が随時の訪問で見出した問題点には次のようなものが
あります。
「薬の保管状況」、「服用薬剤の理解状況」、「薬の飲み忘れ」、
「副作用の発症」、「薬の飲み過ぎ」などです。
薬剤師が定期的に服薬指導に巡回訪問すれば幾つかの問題点は
速やかに解消され、患者や財政が受けるメリットは
計り知れないものがあると考えられます。