サラリーマンが退職して、ラーメン店や焼鳥屋などの
飲食店を開いたけど、儲かっていない、という話をよく聞きます。
すべての商売の基本は利益であり、利益の計算を無視した
商売の存続はあり得ません。利益計算のポイントは「原価率」です。
飲食店の原価率は一般的に35%が適正とされており、売上を100とすると、
原価率が35%で、粗利益率が65%となります。
そして、粗利益率の内訳は人件費が25%、販促費が15%、
家賃・水道光熱費などが20%、残りの5%が経常利益になります。
これが飲食店の理想的な数字の配列とされています。
しかし、このような数字になるのは、よほど競合店が全くない、
人通りの多い立地の良いところに店がある、などの好条件に
恵まれた時でしかありません。数字が絵にかいた餅になっています。
得てして繁盛店の原価率はもっと高く、50%を超える店も少なくありません。
確かに、競合店に勝つために値段を安くしている面は否めませんが、
かと言って食材や飲み物の質は落としていません。
だからこそ、原価率が高くなっているのです。
美味しいものをリーズナブルな値段で提供していれば、必然的に
客が定着し、さらに、客が客を呼ぶようになります。
結果的には売上が上がることになり、原価率が高くなったと
しても粗利益額は増え、一番肝心な経常利益が増えることになります。
また、売上が上がると、仕入れも増え、原価率を
下げることもできるようになります。
ただし、最も重要なことは、価格競争に陥らずに、
店の雰囲気や店員の質、料理のおいしさなど、
お金をかけない付加価値の提供を続けることです。