世の中にはさまざまな楽器が存在します。
幼稚園の頃、誰もが一度は鳴らした事のある「カスタネット」や
「トライアングル」、そして「タンバリン」というのもありましたね。
先生が弾く「オルガン」もあり、最初に触れる楽器は、
「音のおもちゃ」のようなものだったのではないでしょうか。
「オルガン」の音がいつの間にか馴染み深くなると、
楽器に興味のある園児たちは「ピアノ」等を習い始めたような気がします。
そんな中、「エレクトーン」の音を初めて聴いた時には衝撃が走りました。
一台のキーボードなのに、実にさまざまな音が出るのです。
黄色や赤や緑色のレバーを動かすと、「フルート」や「ストリングス」系の
音に変わり、おまけにペダルもたくさん並んでいます。
両手両足で弾くのは、子ども達にとっても慣れてくると
楽しいものでしょう。
楽器は元々電気を使わず、世界中の人たちが目の前にあるものを鳴らし、
あっ、こんな音がする、という体験だったのでしょうね。
それは身近な出来事であると同時に、大きな発見だったに違いない、
と遥か彼方に想像をめぐらします。
いつの間にか時代が大きく楽器を変え、電気を利用するものも
当たり前となりました。
最初は「電子オルガン」として登場した「エレクトーン」も、
時代を経て、目を見張るような勢いで進化して行ったと感じています。
家に居てもオーケストラさながらの音が聴こえますね。
目を閉じれば気分も盛り上がりますね。
一台がコンピューターとしての役割をしてくれて、弾いている間に
慌てて赤や黄色のレバーを手動で変える、などと言う事を
しなくてもよくなったのです。
そんな現在の「エレクトーン」と比べたら、30年以上前のそれは、
赤ちゃんのような楽器でした。当時はちょっとした音の変化に興奮し、
楽しめたという方もいらっしゃると思います。
時々そんな音を思うと、落ち着いた気持ちになるのです。
移り変わっていくのは嬉しいことであると同時に、
当時の音にしかない良さもありますね。
「エレクトーン」の移り変わりを楽しみながら、それぞれの方が、
昔はこんなふうだったんだと感じてくださる時間があると、
楽器も喜んでくれる気がしています。
その時に、現在と過去の同じ楽器が、一つに繋がるような気がします。