高速道路の料金システムである「ETC」がかなり普及し、
現在では、高速道路の料金の90%近くがETCで支払われています。
ETCとは「Electronic Toll Collection System」の略で、
「電子式料金自動収受システム」のことです。開発当初は、
国土交通省の「利権がらみ」という批判もありましたが、
高速道路における渋滞の緩和には大きく貢献しています。
従来、高速道路の渋滞の原因は、事故を除けば、大半が料金所に
おける料金の支払い処理に時間がかかっていたことでした。
有人の料金所の場合、1分間に通過できる車の数は4台でしか
ありませんでしたが、ETCを取り入れたことで、
それが14台に増え、渋滞が大幅に緩和されました。
また、ETCには渋滞の緩和以外に、二次的な目的があります。
それは、排気ガスの削減です。車の排気ガスは停車したり、
発進したりする時に多く排出されるため、料金所をノンストップで
通過することによって排気ガスが減少し、大気汚染の削減や、
温暖化の軽減にも役立ちます。
ETCのシステムを簡単に言うと、車が料金所を通過する際に、
料金所に設置されたアンテナと車載器との間で無線交信に
よる料金データなどのやりとりが行われ、そのデータが
クレジットカードを通して清算されています。
ちなみに、ETCで使用されている電波帯域は5.8ghzという
高周波であることから、携帯電話やカーナビなどに影響を
与えることはありません。また、データの交信は高度な技術による
暗号化がなされているため、第三者によるデータの盗用も不可能になっています。