今年でシリーズ42周年を迎える、石ノ森章太郎氏の
原作による大人気テレビドラマシリーズ『仮面ライダー』シリーズ。
このシリーズに登場する、仮面ライダーの敵たちも時代によって
大きく変遷しました。そして、時代の大きな出来事に合わせて
敵役も変わっているのです。
一番有名なものといえば、謎の首領に率いられる改造人間の組織、
「ショッカー」です。「イーッ!!」の掛け声で現れるショッカー戦闘員たちは
今もCMなどで活躍しています。
ショッカーは、ナチスドイツの残党によって結成されたという
設定があります。
初代幹部ゾル大佐はアドルフ・ヒトラーの部下でした。
当時は戦後25年かつ岸首相の時代で、未だに戦争の影があったことが窺えます。
それから3年後の『仮面ライダーX』では、ショッカー首領の組織ではない
「GOD秘密機関」が現れます(後に首領がサポートしていたことが明らかになりますが)。
この組織は、冷戦下で対立している大国が秘密裏に結託し、日本を占領しようと
していた、という設定があります。
それがどれだけのリアリティを持っていたかはさておき、『X』は割とダークな
イメージが強い作品であるため、現実社会の出来事をもってきたのでしょう。
そして、『仮面ライダークウガ』以降の作品では『仮面ライダーディケイド』まで
悪の組織のような結社は影をひそめます。
『555』においてスマートブレインというのが出てくるのですが、これは
その世界全体を牛耳るほどの資金力を持つ営利企業です。
この作品は2003年~2004年です。このころから日本経済においてM&Aやベンチャー企業が
目立ってきます。そして2004年、堀江貴文がバッファローズ買収に手を挙げるのです。
こうした時代背景をもとに見る特撮解釈も面白いものです。