2013年の新年度(4月)から生命保険の保険料が値上げされる
可能性が高まっています。その原因となるのが、
金融庁による「標準利率の引き下げ」です。
生命保険会社は、保険料の運用によって得られる収益を見込んで、
保険料を割り引いています。この割引率を「予定利率」といいます。
当然、予定利率を高く設定するほど保険料が安くなります
また、生命保険会社は、将来的に保険金や年金などを
支払うことになるため、それに備えて保険料や保険料を
運用して得た収益などを積み立てておかなければなりません。
その積み立てられた準備金のことを「責任準備金」といい、
責任準備金の積み立ては、保険業法によって義務付けられています。
なお、責任準備金の算出には標準利率(予定利率)が使用されており、
標準利率を高く設定するほど責任準備金は少なくなります。
今回、標準利率が引き下げられることになりましたが、
標準利率はあくまでも標準責任準備金の予定利率であり、
保険料算出の予定利率には直結しません。
しかし、責任準備金の予定利率が保険料算出の予定利率より低いと、
保険料に比べてより多くの割合の責任準備金を用意することになり、
その差額を保険会社が負担しなければならなくなります。
そのため、保険会社では保険料算出の予定利率を標準利率に
合わせるのが一般的となっています。
従って、標準利率が下がることは予定利率が下がることであり、
それに連れて保険料の割引が少なくなることから、
保険料が値上がるという結論が導かれます。