バッグと言えば、革製のものか、ナイロン製のものが多くなっていますが、
最近は、帆布で作られたバッグを持っている若い女性をよく見かけます。
帆布は明治の頃にはすでに使われており、丈夫さを生かして人力車の幌や、
車夫の雨合羽などに利用されていました。
綿や麻などの自然素材でできた厚手の丈夫な生地のこと帆布と言い、
タウン用のバッグは綿帆布のものが主流になっています。
ちなみに、帆布は「平織り」で織られており、「綾織り」の生地は帆布とは呼びません。
平織りは縦糸と横糸が交差するように、交互に織り込まれています。
綾織りの方は、縦糸が横糸に対して1本おきに織り込まれています。
平織りの特徴は、目を詰めて織られているため、ほつれにくく丈夫ですが、
織るのに手間がかかります。
帆布の生地の厚さには種類があり、生地の厚い1号から薄い11号まであります。
バッグに使われているのは大体4号~6号ですが、当然厚い方が丈夫です。
生地の厚さは、織糸の太さによって決まりますが、織糸が太ければその分生地の
厚みが増します。織糸は綿糸をより込んで作られています。
綿糸の数の多い方が織糸は太くなりますが、織糸は細い方が織った時の
目が詰まるので、生地の密度は高くなります。
バッグに使われる生地には防水性が求められますが、帆布は綿糸が
水を含むと膨らんで目が詰まるため、それ以上水が染み込まなくなります。
さらに、糸そのものにパラフィン加工と言う蝋を染み込ませる防水加工が
施されているため、通常の使用であれば、数十年は持ちます。