最近は、おしゃれのために老若男女を問わず、誰でも抵抗なく髪を染める
時代になっています。毛染めといっても、色素で髪の毛の表面に
色をつける「ヘアマニキュア」、毛の色素を脱色するだけの「ブリーチ」、
脱色した上で毛髪の中まで色素を行き渡らせる「ヘアカラー」の三つに
大きく分けられます。
中でも、ヘアカラーが最も色が染まりやすく、また色落ちしにくく
なっています。ただ、ヘアカラーに関しては、髪を傷めるということは
よく知られていても、それ以上に危険な化学物質が含有されていることを
知らない人は少なくありません。
カラー剤に含まれる化学薬品の中で一番毒性が強いといわれているのが、
ジアミンと呼ばれる化学染料(発色剤)です。
ジアミンの種類には、フェニレンジアミンやパラフェニレンジアミンなどが
ありますが、これらの薬品を原因とするアレルギー性接触皮膚障害、
腎臓障害、呼吸困難などの症状が現れたことが報告されています。
ヘアカラーの害で一番多いのが、アレルギー性接触皮膚炎です。
簡単にいうと、かぶれです。このかぶれはある日突然発症し、
ひどい場合は、頭全体が腫れあがったり、全身にかぶれが
広がったりします。実際に、ヘアカラーによるかぶれで訴訟を
起こされる美容室もあります。
ヘアカラーなど、皮膚から吸収された薬品は、体内で解毒することができず、
少しずつ体内に蓄積され、10年20年後に発症するということもあります。
ドイツやフランスではジアミンの使用は禁止されており、
ヘアカラーをする時は、アレルギーが出ないか入念に
チェックしてから使用することが肝心です。