原発事故以来、電力問題が大きな論争になっているため、オール電化住宅のCMが
流れなくなっています。ただ、安全性や省エネ性から言うと、
メリットが大きいことは事実です。
ちなみに、オール電化住宅の代表とも言える電化製品が、
「エコキュート」という給湯器です。電気だけを使用するのではなく、
大気の気温も活用していることから極めて省エネ性の高い給湯器と言えます。
エコキュートはお湯を沸かす「ヒートポンプユニット」と、お湯をためる
「貯湯タンクユニット」の二つがセットになっています。
エコキュートは、室外にあるヒートポンプユニットを回転させて空気を取り込み、
その空気をコンプレッサーで圧縮することによって過熱してお湯を温める
システムになっており、電気と外気の二つのエネルギーによって効率的に
お湯を沸かすことができます。従来の電力だけを使う給湯器と比較すると、
お湯を沸かすのに必要なエネルギー量が3分の1程度にまで減っています。
また、電力会社が余らせている深夜電力を活用することで、
昼間の電気消費量を削減することもできます。
さらに環境面においても、冷媒として使用する二酸化炭素は自然界にある
二酸化炭素を利用しており、本体から二酸化炭素を排出することもありません。
ただネックとなっているのが、暖めたお湯を貯蔵しておくタンクを設置するための
広いスペースが必要なことと、導入費用が30万円から50万円と高額なため、
削減した電力料金で元を取るのに数年がかかることです。